釜石大槌猟友会 鳥獣保護員 立石 隆幹
昨年、3月11日に発生した東日本大震災により私と同じように多くの会員の方々が被災されました。なかには、会員ご本人が亡くなられたり、家族の方々を亡くされた方も多くおりました。亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げます。
私は、家屋は全壊流失し財産のすべてを失いましたが、幸い家族は全員無事でしたので何よりと思っております。そんな被災した私達のために、県内の猟友会員の方々をはじめ、全国の猟友会員の方々から多大なるお見舞金をいただきましたことに対し、遅ればせながら「猟友いわて」の会報を通して心から厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
70才を過ぎてからすべての財産を流出し、新たに人生の第一歩を再スタートさせたところです。避難生活では避難所の責任者として活動しましたが、全国の大勢の皆様方から物心両面にわたり多大なるご支援をいただき大変助けられました。皆様のご協力ご支援に対し心から感謝申し上げる次第です。また、仮設住宅にも2ヶ月ほど入居し、考えても見なかった苦しい人生経験もいたしましたが、皆様方のご支援のおかげで、自宅を再興することができましたので安心しているところです。
さて、話しは変わりますが、家屋の全壊流出により、当然のことながら所持しておりました銃も2丁、散弾銃とライフル銃も流出し発見されませんでした。銃の所持許可をお願いしたところ、散弾銃の方は許可されましたが、ライフル銃の所持は認められませんでした。40年以上も狩猟にたずさわって来たのに、しかも自身には何の非もないのに、ましや個人ではどうすることも出来ない自然災害により流出した事実は、誰が見ても明らかなことはわかっているのに何故許可されないのか納得がいきませんでした。今でも理解に苦しみます。流出し発見されないとの理由により、私と同じように許可されない方が多くいると思いますが、皆私と同じ気持ちだと思います。私の場合は、71才にもなる高齢ですので無理をして所持しなくとも良いと諦めもつきますが、若い人達には気の毒に思います。ニホンジカによる被害が多い本県ですから、例外を認めてくれても良いのではないかと思っているところです。
それから、年々増える鳥獣による農林業の被害ですが21年度は県内でその被害額は、2億8,200万円とのことです。ニホンジカ、クマ、ハクビシンそしてさる、イノシシ等の話も聞こえてきます。被害額が年々増えるのと反比例するように、ハンターの数は年々減少の一途をたどっております。釜石大槌地区の会員も例外ではありません。23年3月末現在125名とのこと、今年も更に減少すると思われます。シカ猟に従事する(有害捕獲)ハンターには日当を出すとか、また県内のハンターには狩猟税を免除するとか、狩猟期間中のシカの捕獲には1頭あたり何千円かの奨励金を出すとか、何か魅力がなければ捕獲実績も上がらないし、被害も減少しないし、ハンターの減少も止めることができないと思うところです。県の農林行政も財政上大変と思いますが、何か対策を一考願うところです。
勝手なことを書きましたが、終わりに、大震災により被災された方々の一日も早い自宅再建を願うところです。また、会員の皆様方には、お互いに健康に充分に注意され楽しい狩猟を迎えられますようご祈念申し上げます。