公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

周囲に支えられ、犬と歩んだ新米4年

 西磐猟友会 佐 藤 裕 夫

 鉄砲撃ちを始めたきっかけは、周りからの「やればいいんじゃない?」って後押しから。

 仕事柄、県の農畜産業にかかわっていることから、獣害による農畜産被害の話は方々から耳に入っていた。私の住む地区でも年々とシカが増え始め、近年ではイノシシの目撃情報も出始めている。

 今から40年程前には、我が家がある民区40戸足らずに、30人以上の鉄砲撃ちがいたと言う。私が住み始めたころには、民区に1人、舞川支部全体でも6人だけでした。

 「まだ、田んぼや畑のシカやイノシシによる被害は出ていないけど、いずれ出てくるよねぇ。。。鉄砲でも取ろうかな。」って声に、快く答えてくれた家族の支えがあって、鉄砲撃ちを始めました。

 幸いに同時期に始めた友人の父親が鉄砲撃ちだったことから、1年目は師事を仰ぎ、ヤマドリとキジ、カモ類を中心に鳥猟の基本を学び、2年目には譲られたアオア系英ポ、バロンと名付けた猟犬の育成を、先に始めていた大学時代の友人に教わりながら、毎日のように一緒に歩きました。はじめのうちは、河川敷で走り回って、匂いも関係なくキジを追い出していましたが、だんだんと匂いがすると動きを止めるようになり、キジ猟最終日の1月15日にバロンが見つけたキジを初めて獲ることができました。

 3年目になるとバロンの動きが見違えるように良くなり、ポイントからのフラッシュの回数も増え、犬と伴に成長していく鳥猟の楽しみを感じることができました。また、地区猟友会の諸先輩方に誘われて、シカ猟にも勢子として参加するようになりました。シカ猟1年目は、3突の雄ジカを15mくらいの距離で見ることができましたが、矢をかけることができず、未熟な自分に悔しい思いをしました。

 4年目、バロンも2年間経験を積んだことで、さらに匂いを取るようになり、確実なポイントからのフラッシュが多くなり、出猟した際の捕獲効率が格段に上がりました。さらに、県猟青年部設立準備会が主催した捕獲の担い手セミナーに参加したことで、各地区の若い鉄砲撃ちの人たちと交流する機会に恵まれ、そこで知り合った(実は以前に山で遭遇していた)先輩猟師のクマ猟に同行する機会も得られました。また、シカ猟にも積極的に参加したことでシカとの距離も縮まり、勢子ながら2頭を、(たまたま)ネックショットで倒すことができたのはうれしい経験でした。

 そしてこれから5年目の猟期を迎えます。猟期外の毎日の散歩でも、細かな指示を与えることで、とてもいいレンジで探索するようになり、今猟期の解禁が待ち遠しい仕上がりとなりました。あとは私の腕次第・・・。また、担い手の繋がりから青年部での活動にも参加するようになり、狩猟仲間(犬を含む)と伴に成長していけるのが楽しみでなりません。

 若い仲間を巻き込みながら、事故なく、楽しく、続けていきたいと思います。