公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

有害鳥獣の捕獲業務について

高田猟友会会長 戸羽 茂夫

 高田猟友会の高田地区における有害鳥獣の捕獲業務は、カラス、カルガモ、ヒヨドリについては、私が銃を所持する以前から実施され、現在でも毎年行っています。ニホンジカの有害捕獲については、20年以上も継続実施しています。  
 しかし、被害地域や生息地域が拡大しているのが現在の状況であります。メスジカの捕獲、捕獲頭数の緩和等が実施されていますが、適正頭数と言われている 2,000頭に到達しないのは、なぜでしょうか。農林被害が多い地域に休猟区の設定や、猟区の継続などを行って来た県の対応が適切だったのでしょうか。ニホンジカの有害捕獲業務を実施しなくても良い時期が来るのでしょうか。会員の高齢化が進み、近い将来、何人の会員で有害捕獲業務を実施することになるのか、憂慮されます。  
 次にカモシカの有害捕獲(個体数調整)についてでありますが、当市では平成17年度に2地区で4頭、平成20年度に3地区で6頭、平成22年度に2地区 で4頭の捕獲を実施しました。指定された地域での2頭の捕獲を行うのですが、捕獲後、数ヶ月で別の個体が、その地域に移動して来て、縄張りにするので、被害の軽減にはなっていないと思われます。このことから、市内全域で一定数の個体調整が是非必要と思うのですが… 現状では無理ですよね。  
 さて、近年当市の全域で、農作物被害や、住居侵入などで話題になっている、ハクビシンの有害捕獲業務についてでありますが、今年度から、陸前高田市と猟友会(高田地区)がハクビシン等捕獲業務委託契約を7月に締結しました。市民からの捕獲依頼が行政にあった場合、行政から猟友会に捕獲依頼があります。会員が箱わなを設置して、捕獲業務を行うという、フローチャートになっています。捕獲業務を実施している会員は、わなの狩猟免許取得者20名が従事していま す。市所有の箱わな数は、今年度購入の20個を含め、53個となっています。この53個を20名の会員に貸与しています。貸与の箱わなと会員所有の箱わな を使用して、捕獲業務を遂行しています。  
 7月及び8月の捕獲実績は、7月にハクビシン25頭、アナグマ5頭で計30頭でした。8月はハクビシン52頭、アナグマ18頭、タヌキ11頭で計81頭 であります。2ヶ月間で111頭になったところであります。委託料の基本額は、150,000円で、捕獲頭数1頭につき2,000円となっています。契約 時には、100頭分の予算と聞いていますので、行政の予算オーバーとなりましたが、1月末の契約期間満了まで、1頭でも捕獲して、市民の被害軽減になれば と現在も会員が努力しております。  
 終わりに、ハクビシンの有害捕獲等について、県及び県内各市町村が早急に有害捕獲の対策を検討し、対応すべきと思います。